AA研および京都大学学術出版会から論文集『集団—人類社会の進化』（2009年12月）が刊行されました。


『集団−人類社会の進化』（河合香吏編）

【目次】
序章　集団：人類社会の進化史的基盤を求めて（河合香吏）

第一部　社会性の進化
1章　非構造の社会学：集団の極相へ（足立薫）
2章　単独社の集まり：孤独と「見えない」集団の間で（内堀基光）
3章　人間の共同性はどこから来るのか？：集団現象における循環的決定と表象による他者分類（北村光二）
4章　霊長類における集団の機能と進化史：地理的分散の性差に着目して（中川尚史）

Article 1　チンパンジーの集団：メスからみた世界（伊藤詞子）

第2部　社会集団のなり立ち
5章　集団のオントロギー：「分かちあい」と生業のメカニズム（大村敬一）
6章　暴力と集団の自己産出：海賊と報復の民族誌から（床呂郁哉）
7章　徒党を組む：牧畜民のレイディングと「共同の実践」（河合香吏）

Article ２　昨日の友は今日の敵：パプアニューギニア・フリの社会（梅崎昌裕）

第3部　「われわれ」意識の生成と展開
8章　「いまここの集団」から「はるかな集団」まで：狩猟採集民のバンド（寺嶋秀明）
9章　感知される「まとまり」：可視化される「集団」と不可視の「範疇」の間（曽我亨）
10章　「われらベンバ」の小さな村：居住集団の日常と王国をつなぐしかけ（杉山祐子）

Article ３　ケニア・ルオという「集団」：社会人類学からの点描（椎野若菜）

第4部　新たな集団論へ
11章　集団的興奮と原始的戦争：平等原理とは何ものか？（黒田末寿）
12章　エイジェントは誘惑する：社会・集団をめぐる闘争モデル批判の試み（田中雅一）
13章　人間集団のゼロ水準：集団が消失する水準から探る、関係の意味、場と構造（船曳建夫）

終章　「集団」から「制度」へ：まとめと展望（河合香吏・黒田末寿・北村光二・内堀基光）

追悼文　今村仁司先生の遺したもの（西井凉子）

あとがき（河合香吏）